脳卒中はカオス【闘病記(53】

闘病記


入院も半年になると、
自分の世界だけではなく、
 
他人の世界(人生)
たくさん存在していることを
認識させられます。
 
夜ベランダに出て、外を見ると、
マンションの窓の灯りだったり、

民家の灯りが見えるかと思います。
高層マンションにお住まいの方なら、
なおさら無数の灯りが見えるでしょう。
 
灯りの数だけ、
自分の世界じゃない
他人の世界(人生)が
存在

しているわけです。

とりわけ今いる病院でも、
カーテンや病室を隔てて
無数
の他人の世界(人生)が
存在しています。

その情報は、
ご家族さんとの漏れる会話からその
人生模様
を知ることができます。
 
そしてその情報からよく聞かれる言葉は、
 
「天災と思うことなかれ。

この病気(脳卒中)に
なったのは

自業自得
である。

自分自身で引き起こしたもの。

故に家族に多大な迷惑を
かけている。」

 
こんなセリフをご家族さんや、
患者さん本人からよく聞きます。

はたして

脳卒中は自業自得か?

そもそも自業自得の本来の意味は、
自業(自分の行い)で自分を得る。ということ。

自分を得ると言うのは、

 
自分の努力によって
理解すること。

 
体験を通して悟ること。」です。
 
決して身から出た錆のような
ネガティブな言葉では
ありません。

 
そして脳卒中も決してネガティブの塊でも
結果でもありません。
 
脳卒中は日頃の不摂生だけで
引き起こされるものでは
ありません。

 
不摂生が大きな原因なら今頃脳卒中患者は
1000万人以上

いるだろう。
 
 

脳卒中はカオスそのものです。
 
カオスとは、ランダムではない 、

複雑な要素により
 
正確に予測できない未来。

その要素は余りにも
 
繊細かつ詳細
なため、
同じ未来を完全再現することは、

いかなる
スーパーコンピュータを
用いたとしても不可能。

 
 

それが
カオス(理論)

 
 

だから、不摂生な
生活だけでは
絶対
引き起こされない。
かと言って、ランダムでもなく、
運が悪いだけでもない。

 
脳卒中になったことすらも、
複雑な、人生という名の

 
未来への極々小さな
事象の一つ。

 
だから、決して下を向いて辛い顔をしないで。
 
 

今日も、明日も、
 
 
笑顔で
一緒にリハビリ頑張ろう

 
 


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