リハビリに意味はあるのか?【闘病記⑯】

急性期


手術後一週間ぐらい寝たきり状態が続いたが、

この一週間は目の焦点も合わず、

ずっとぼやーっとしていたらしい。

むろん家族でも面会謝絶状態だ。

それだけ脳の手術は大変負担が大きいのだ。

医療用ホッチキスの抜糸も終わり、

状態もだんだん落ち着いてくると、

リハビリもちょこちょこ始まりだした。
 

 

リハビリと言っても最初は言語のリハビリ。

口を大きく開けたり発声練習したり。

日にちも経って少し体力がついてくると、

運動のリハビリが始まった。
 
 
今まだ私の左半分の感覚は、

ただの肉の塊だ。

動かし方がわからない。

耳たぶを
意識して動かす。

想像してもらえると、

手足を動かす難しさのイメージが
分かっていただけると思う。
 

 

最初は手足を動かす練習。

少しながら徐々に
動かせるようになってきたので

リハビリのバリエーションが増えてきた。

次は背もたれなしで座る練習。
 

 

ただ座るだけだが
これが難しい。

ただじっと背後に倒れないように座るだけでも
上半身の色々な筋肉を使う。

 

 

普段意識せずに使えたことが、

今回の麻痺でつかえなくなってしまい、

もう一度使えるように再学習する。

それがリハビリ
(Rehabilitation 機能回復訓練)


 
 
ただ単なる筋トレではない。
筋肉をつけただけでは動かない。

だから
リハビリの
世界は
奥が深くて
面白い。

 
 
徐々に
自分が
動けるように
なっていく
カタルシス
は、

麻痺患者じゃないと体験出来ない。

リハビリの先生ですら体験できない、

あなたの体しか体験できない。
 
 
なので、他人があれこれ言ってきても

「1回麻痺って出直せ。」
跳ね除けて欲しい。
 
 
自分が
パワーアップ
していく感覚は、

まさにリアル
RPGである。

 

 

リハビリは、町の周辺でひたすら
スライムを狩っている感じ。

地道にコツコツと。

少しずつ脳とのシンクロ率を高めていく。

急に強く(動けるように)なるわけではない。
 
 
日々精進。

しかし突然強くなることもある。

それはコツ(感覚)を
つかんだ時である。

急に自転車に
乗れるようになった時に似てる。
 

 

このコツという名の扉を
開けてしまった時は
興奮が止まらない。

明日のリハビリで、
エグいぐらい動けるように
なるかもと思って
 

 

興奮して寝られない。

 
 


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