ナースと療法士のジレンマ【闘病記㉕】

急性期


今回のリハビリ入院でふと思うことがある。
 
 
リハビリ入院は、
 
 
入院しながら、また自分で
なんでもできるように
日々リハビリを行う。
 
 
リハビリをすればするほど
活動の幅や動作範囲が広がり、

その分転倒などの
危険度が

比例して上がっていく。

入院初期では落ちた物すら
自分で拾うことなどできなかったが、
 
 
日々のリハビリにより、

腰を曲げたり
手や腕をしっかり伸ばすことが
容易になったので、

落ちた物を拾うことなど
ナースさんの手を借りなくても簡単だ。
 
 

簡単だが気をつけないと
バランスを崩して転倒する危険性がある。

実際転倒すると担当ナースが、家族に

「ちゃんと見ていなくて申し訳ございません」と

緊急電話連絡がいく。
家族に余計な心配をかけさせる。
 
 
私も急性期時代に
1度だけ転倒したことがあるが、
 
 
家族への転倒報告に、
「余計なことするなよ」と、
憤った経験がある。
 
 
これはあえて
家族に余計な心配を
かけさせるようにしているシステム

だと思う。
 
 
この戒めこそが、
今後家族に二度と
心配かけさせないように、

無理しないように
生きていかないといけない、
 
 
ある意味患者自身への
気持ちの刷り込み作業だと
私は感じている。
 
 
だから、ナースさんは
「どんなささいなことでも
ナースコール押してね。」
と言ってくれる。
 
 
が、しかし、
自分は日増しに動けるようになっていく。

リハビリの先生(セラピスト)は、
麻痺患者をいかに
動けるようにしていくのかが仕事。
 
 
 しかしナースさんは患者を
転倒などの事故から守るのが仕事。
 
 
この二つの相反する職業の
プロフェッショナルのジレンマの狭間に
支えられながら
 
 
日々患者達は過ごしている。
 
 
これが
リハビリ入院生活

 
 


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