初めての病院食【闘病記⑤】

急性期

記念すべき初入院の朝食は、

おかゆと小皿でおかずが2品あった。

主食はパンではなかった。

プレートの上に印刷された

メモ紙が置いてある。

メモの内容は主食お粥が何グラムなのかと、

おかずのメニューが軽く記載されている。

メモには他にも

名前、名前は当然私の名前。 

部屋番号の記載もあった。

部屋番号は3桁で頭は5から始まってた。

ということは、

ここは5階の病室なのだろうか。

メモの内容から察するに、

 患者によってメニューが違う? 

とか色々今後の展開を想像した。

 メモには他にも赤字で
〔果物禁〕とかかれていた。

私は
ウリ科の果物アレルギー持ちという、

バナナはいけるが
リンゴはアウト、

猫大好きなのに
猫アレルギーという

メンドクセー体質の
持主である。

病院が、

私のアレルギーを
あらかじめしっているわけもなく、

おそらく入院前に、
妻が私のアレルギーについて
伝えてくれたのだろう。 

今回

麻痺は幸いにも左側
利き手である右手

は倒れる前と何ら変わらず使えるので、

食事は自分でできそうなのだが、

なぜか「あ〜ん」して

まるで離乳食を食べさせてもらう
乳児のように食べさせてくれた。

なにやら喉にも麻痺があるので、

気をつけて食べないと、食べものが気管など

変なところに入って
肺炎を起こす可能性があるからだそうである。

「あ〜ん」して
食べさせてくれたのは

女性看護師。

尿瓶を持ってきてくれた
今日担当の看護師さんではなく

また別の女性だった。

首を動かすのがしんどかったので、

しっかり顔は分からなかったが、

声に聞き覚えがなかったので、

最初の女性とは違うと思った。

そんなことはどうでもいい。

私は大変お腹が空いている。

お粥がスプーンで口に運ばれる。
こころなしか左側の口が開きずらい。

「あー」が出来ない。

麻痺のせいなのかよく分からない。

味の方だが、鰹出汁がほんのりきいていて、

バチクソウメェというほどでもないが

不味くもなく、
空腹と言う究極のふりかけはあるが、
めっちゃ美味しかった。

病院食はマズイという
概念がなくなった瞬間だった。

しかし病院食は患者さんの病状によって
摂取可能な栄養素が変わるので
一概に病院食は全部マズイとは言い切れない。

看護師さんに「あ〜ん」してもらいながら
ひたすらお粥を食べ続けた。

ちょっと喉が渇いたなあとおもったら、
女性が吸い飲みを近ずけて来た。

吸い飲みは象さんのかたちをした、

小さいジョウロ型のコップで、

むせるのを防止するため

ちょっとづつしか飲むことが出来ない。

そのくせ飲み物をたくさんいれようものなら、

ちょっと傾けただけで

口から中身が勢い良く溢れて出てきて、

私の机の上をよくビチャビチャにしてくれるこまったさんである。

入院途中この吸飲みも不要になったが
空で机においておくと勝
手に看護師さんが飲み物を
めいいっぱい追加してくれ、
そのたびに机が洪水になっていたので

あまりにも腹が立ち、

入院途中で
この吸い飲みさんは机の引出しの奥深くに

存在ごと
隠し続けた。

 ちなみに初期の頃の吸い飲みの中身は
とろみがついたお茶だった。

サラサラのお茶だと
むせやすいためである。

これも肺炎防止のためだ。

必死でこの吸い飲みのお茶を飲んでいる時
顔を動かす余裕があったので、
ちらっとその女性の顔を見た。
 

死ぬほど可愛かった。
アイドル顔負けである。

名前はN看護師という。
今まで出会った女性でナンバーワン。
色白茶髪でナースコスプレ
という

反則
組み合わせ、

顔は嵐の二ノ宮くんを
女顔にさせた感じで
はっきりとしたお顔立ち。

匂いも桃の香りがしていい匂い。

(※初期の頃の車椅子移乗の際は
ナースさんにぎゅっと抱きつく感じになる。)

今日は
こんなアイドルみたいな子が
尿瓶をあてがって
(※チンを持って
尿瓶に差し込む作業)
くれるのかなぁ
とちょっと期待してドキドキした私は、
もうすぐ
38歳のオッサン。

「ふはは。
世のNさん好きの
男どもよ、

よくきくがいい。

今私は
ナースコールという、

押せば24時間
いつでも

ナースコスプレした
Nさんに
会えるボタンを

手にしているのだ‼︎

どうだ
羨ましいだろう?!」

 
 


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