環境が歩行に与える影響【闘病記(59)】

回復期


退院間近になり、リハビリもより実践的になってきた。
 

外の公園へ、リハビリで歩行訓練

昨日はPTOTともに近くの公園へ遠征。
こんな身じゃ無ければ病院の出口から3分ぐらいで行ける距離だ。
 
だが、いつもの病棟での歩行訓練とは環境がまるで違う。
 
秋風もビョービョー吹いているし、早朝の大雨で地面も濡れているし、
自転車も、後ろから
ギュンギュン
抜かす。
 
ひとたび転倒でもしようもんなら間違いなく
骨が折れる。

 
受け身が取れないので、打ちどころがわるければ最悪、週末はお葬式。
 

 

病棟は、衝撃吸収素材の床だ。
スマホを誤って落としてもパタっと横倒れになるだけ。
しかしアスファルトならスマホの画面は
粉々
になるだろう。片麻痺患者とて同じ。
 
すると、どうなると思うだろうか。
転倒しまいと無意識に非麻痺側に力が入る。
バランスが取りづらい麻痺側をカバーしようとするためだ。
これは
恐怖が脳を支配

してしまうため、慣れないと仕方がない。
 
非麻痺側に余計な力が入ると麻痺側に余計な力が伝わり、
連合反応と呼ばれる筋肉の収縮が始まる。
麻痺側の手がウニーンと勝手に釣り上がるのだ。
街中で杖をついて必死で歩いている人の片方の腕が上がっているのを見かけたことはないだろうか。
まさにこの現象が起きている。
 

 

リハビリ的にこの余計な力が入っている現象のことを「トーンがあがる」と表現する。
 
トーンの上がり具合は歩行の安定具合の指標となる。




なぜなら麻痺側のトーンが上がっているということは、麻痺側に重心が乗り切れていないということ。
 
麻痺側の重心移動が不完全だと非麻痺側の脚が上がりにくい。
 
試しに、左側に体重を乗せるのとあまり乗せないのとで、右側の脚の上げやすさの違いを確かめてみよう。
体重をめいいっぱい乗せたほうが反対側の脚が上がりやすくないだろうか。
 
歩行はこの体重移動をうまく行い、脚を自然に動かす。
 
だから麻痺側に体重が乗り切らないうちに非麻痺側の脚を振り出そうとしても脚は上がらない。
脚があがらないと非麻痺側に今度は体重があまり乗らなくなる。
 
そうなると今度は麻痺側の脚が上がらなくなる、という悪循環に陥る。
この悪循環の行き着く先は転倒。

ゲームオーバー
だ。
 
だから歩行に環境が著しく影響する。
 
だから私は病棟で歩行の自主訓練の時は出来るだけ壁側にある手すりに寄って歩行する。
万が一の時、ぱっと手で手すりをつかむためだ。
 
転倒の恐怖が少しでも和らぐと、手のトーンが落ちる。(手が下がる。)
正しい歩行ができている証拠。
正しい歩行をしないと麻痺側のトーンが上がったまま筋肉が硬まる。
 
するとパッと見で分かる、典型的な片麻痺患者の出来上がり。
 
それでは困る。
 
恐怖という名の感情は、健常者、障害者関わらず、誰しもが持つ脳の自然な防衛本能。
 
慣れるしかない。今日も明日もひたすら歩く!歩くのみ!
場数
で経験値を稼いで地道にレベルアップ!
 

 

ありがとう。さよならまであと少し。

 
 



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